🐴 馬脳 Umanou — 馬券戦略会議

プロ馬券師3名(Opus / GPT-5.5 / Sonnet)による独立分析 + JRA統計
ゴール: 競馬で食っていく = 年間収支プラス・生活費を継続的に稼ぐ
① JRA公式統計データ(2022-2024年度)
80%
単勝・複勝 払戻率
控除率20% — 全券種で最低(最も有利)
72.5%
三連単 払戻率
控除率27.5% — 最も不利 / 平均配当は最高
28.4%
三連単の売上占有率
JRA最大の市場 / 最も多くの資金が集まる
¥41,757
三連単 平均配当
平均417倍 / 控除率の不利を配当で補う構造
7.3%
単勝 売上占有率
2009年3.9%→2022年7.3% / 上昇トレンド
¥3.3兆
JRA年間売上(2024年度)
13年連続増加 / 前年比101.2%
券種別 控除率・必要エッジ早見表
券種控除率還元率市場占有率必要相対エッジ*現実性
単勝20.0%80.0%7.3%+25.0% 最も現実的
複勝20.0%80.0%9.7%+25.0% 現実的
馬連22.5%77.5%13.1%+29.0% 要高精度
ワイド22.5%77.5%11.0%+29.0% 要高精度
馬単25.0%75.0%約8%+33.3% 難しい
三連複25.0%75.0%約13%+33.3% 条件付き
三連単27.5%72.5%28.4%+37.9% 非常に高い壁
* 必要相対エッジ = 控除率t/(1-t) — この分だけ市場より正確に予測できなければEVはマイナス。計算式: EV>1 ⟺ p/q > 1/(1-t)
② プロ馬券師3名の独立分析
🔬 Pro A「理論家」
Opus — 数理統計派 / 25年現役

① 控除率と必要エッジの構造

EV = p × (1-t)/q → EV>1 ⟺ p/q > 1/(1-t) 必要相対エッジ = t/(1-t) 単勝(t=20%): +25.0% 三連単(t=27.5%): +37.9% ← 1.52倍の壁

三連単はプラスになるのに37.9%も市場より正確である必要がある。AUC=0.82のモデルでこれを安定的に満たすのは非現実的。単勝が唯一の戦場というのが数理の結論。

② モデルの目的関数と券種のマッチング

  • 現行LambdaRank → NDCG最適化 = 単勝に構造的に一致
  • 馬連: 「上位2頭の集合確率」が必要 → Plackett-Luceで派生
  • 三連単: 「順列確率」は出力空間が爆発、直接学習は破綻
  • 結論: 券種別モデルは作るな。Plackett-Luce 強度λiを1つ推定し、そこから全券種を解析的に派生させる

③ Harville式の限界

  • 前提: 「独立無関係選択公理(IIA)」= 脚質・展開の相関を無視
  • 崩れる条件: 逃げ馬共倒れ / 差し馬が一団で来る / ペース依存
  • 上位人気馬の2-3着確率を系統的に過大評価するバイアスあり
  • 補正: Henery修正 or p_i^θ(θ<1)ダンピングが必要

④ 三連単の最適購入点数

全120点: EV≈0.725 (控除丸かぶり) → 最悪手 6点(絞り): EV改善 but 分散大 1点(本命): EV最大 but 破産確率爆発 ⚠️ 点数を増やす = EV劣化 + 分散低下のトレードオフ

⑤ 月収30万の現実

必要: 月間ベット額 × (ROI-1) = 30万円 ROI=110%と仮定: 月間ベット額 = 300万円/月 必要元本(破産確率5%以下): 1,000〜1,500万円
OOF実エッジ -0.006 = ROI約99% = 現状ゼロ。53ベットROI237.5%は標準誤差±100%超で「完全に偶然の範囲」。2000ベット以上で95%信頼区間下限がプラスになるまで1円も賭けるな。
📊 Pro B「市場歪み師」
GPT-5.5 — 市場効率性派 / 実践20年

① 現状診断: まだノイズ圏

OOF 2660betで実エッジ −0.006 = 「食える戦略」ではない。AUC=0.82は強いが、利益に必要なのはAUCではなく校正済み確率 × 市場オッズ × 点数制御

※2023年公式統計: 三連単27.95%・三連複21.94%・単勝7.66%("三連単が最大プール"の結論は同一)

② 市場歪みの構造(券種別)

  • 単勝: 結果空間16通りのみ、情報が速く集約される → 歪みが出にくい
  • 三連単: 16頭立てで3,360通り / 1レース売上1億円 → 平均8,300円/組 → 無知な資金による Favorite-Longshot Bias が発生しやすい
  • プロの主戦場: 実はワイド・馬連・三連複(控除22.5〜25%・的中率と分散のバランスが良い)
【市場深度と平均単位売上(試算・1レース1億円)】 単勝: 766万÷16馬 = 平均 48万円/馬 三連単: 2,795万÷3,360 = 平均 8,300円/組 → 三連単は歪みが"出やすい"が控除27.5%の壁も最大

③ 三連単 点数最適化

買い方的中率ROI特徴
全6通り20.0%+1%低EV順序が混ざる
EV上位3通り6.4%+24%連敗が長い
最高EV1通り1.6%+44%破産確率が高い

原則: 追加する1点のEVがプラスの時だけ増やす。三連単で月30万なら年間投下3,000万(ROI10%)が必要。

④ 単勝ベース戦略の落とし穴

  • 単勝トップ2の馬連 → 人気馬同士は大衆も買う → 妙味が薄い
  • 狙いは「1頭は堅いが、2・3着候補に市場が軽視する中穴」の形
  • 三連単1着固定流し(4頭=12点): 的中率8%なら損益分岐は平均配当150倍

⑤ ターゲット変更提案

現行モデル(単勝P)は残す。主戦略を変更: Step1: top2確率・top3確率 を別モデルで構築 Step2: ワイド・馬連・三連複へ展開 Step3: 三連単は「順序確信 + 平均配当≫損益分岐」時のみ 狙いやすいオッズ帯: 10〜30倍(歪みあり・実現確率も残る) 100倍超は長期EVが悪化しやすい(宝くじ資金が過大評価)
実務結論: 単勝は「市場とのズレ検出」用途で残し、主戦場はワイド・馬連・三連複。三連単は券種別に最低1〜2万betの外部検証が揃ってから。まず win/top2/top3 の校正から始めよ。
⚖️ Pro C「ポートフォリオ師」
Sonnet — リスク管理派 / 統計的一貫性重視

① 段階的移行戦略(今の位置づけ)

競馬で食うには「実エッジの証明」が先決。今は単勝だけに集中し、実エッジが確認できてから券種を拡張するのが正しい順序。

② 券種拡張のロードマップ

Phase1(今): 単勝EV≥1.2のみ → シャドーランで実エッジ確認 Phase2(100bet後): + 馬連(上位2頭Harville上位) → Harville補正版でEV計算 Phase3(O2/O6オッズ取得後): + 三連複EV戦略 → 本物のEV計算が可能に Phase4(全実績確認後): + 三連単フォーメーション → 信頼済み軸馬のみ使用

③ モデル設計の改善提案(重要)

ユーザーの指摘は本質を突いている。現在のモデルは「1着になる馬」を最適化しているが、馬連・三連複を本気で狙うなら目的関数を変える必要がある。

【現在】LambdaRank: NDCG@1 最適化 → P(1着) を最大精度で予測 【提案】Plackett-Luce 多目的ヘッド: Head1: P(1着) → 単勝 Head2: P(上位2頭のペア) → 馬連/ワイド Head3: P(上位3頭の組合せ) → 三連複 3ヘッドを同時訓練 → 相互に精度を補強

④ 購入点数の設計(券種別)

  • 単勝: 1点(Kelly基準でサイジング)
  • 馬連: 1-3点(上位ペア1点 or 上位馬流し3点)
  • 三連複: 1-4点(上位3頭1点 + 紐拡張3点)
  • 三連単: 6-12点(軸1頭フォーメーション)← Phase4以降

⑤ Kelly配分(複数券種同時)

Kelly係数(全体25%)を券種間で分割: 単勝: 15% × Kelly 馬連: 7% × Kelly (高分散) 三連複: 3% × Kelly (最高分散) 三連単: 使わない(Phase4まで)
まず単勝で「実エッジがある」ことを証明する。証明なしに馬連・三連単に手を出すのは控除率の壁に向かって走ること。200-300betのシャドーランが最重要。
③ モデル設計の改善提案(3名共通見解)

「単勝を最適化するモデル」から「全馬券に対応するモデル」へ

❌ 現在のアーキテクチャ
  • LambdaRank: NDCG@1 を最適化
  • 予測: P(1着) のみ
  • 対応券種: 単勝のみ
  • 馬連/三連単: Harville式で近似(精度低い)
  • Harville限界: 脚質相関・展開を無視
✅ 提案アーキテクチャ
  • Plackett-Luce: 全馬の強度λiを学習
  • Head1: P(1着) → 単勝EV
  • Head2: P(上位2頭の組合せ) → 馬連/ワイドEV
  • Head3: P(上位3頭の組合せ) → 三連複EV
  • 将来: 展開変数を追加してIIA制約を緩和
重要: ユーザーの指摘「上位2頭で最適化して残り3,4着になるモデル」は正しい方向性。 現在のLambdaRankは1着精度に特化しており、馬連・三連複の真の最適化は別の目的関数が必要。 ただし、まず単勝でエッジを証明してからモデルを拡張すべき(エッジなしに複雑化は過学習リスク)。
④ 「競馬で食う」ロードマップ(3名合意)

Phase別 馬券戦略


Phase1
シャドーラン・実エッジ証明期(〜100bet)
単勝EV≥1.2 × 4-15倍のみ。馬連・三連単は通知のみで購入しない。200-300betで実エッジの統計的有意性を確認するのが最優先。
単勝のみ 馬連: 通知のみ 三連単: 通知のみ
馬連追加(実エッジ確認済みの場合)
単勝の実エッジ+0.01以上が確認できたら、馬連を上位2頭Harville確率で追加。Kelly配分を単勝15%・馬連7%に設定。O2オッズデータ取得後にEV計算に切り替え。
単勝 EV≥1.2 馬連 Harville top-1
Phase3
〜1000bet
三連複追加 + モデル改善
keiba-vm で O2/O6(馬連・三連単)オッズデータを取得し、馬連・三連複のEV計算を本実装。Plackett-Luceへのモデル改良。三連複は上位3頭の1-4点のみ。
単勝 EV≥1.2 馬連 EV≥1.2 三連複 EV≥1.1
Phase4
実績後
三連単フォーメーション解禁
信頼済み軸馬のみ。1着固定フォーメーション(軸1頭×2着3頭×3着5頭=15点)。Kelly配分3%以下。控除率27.5%の壁を意識し、EV≥1.3以上の条件を設定。
単勝 馬連 三連複 三連単 EV≥1.3 / 15点
⑤ 最適購入点数(券種別)
単勝
1
per race
予測1位の馬のみ。Kelly式でサイジング。EV≥1.2かつ4-15倍が条件。
馬連
1〜3
per race
上位2頭1点(確信あり)or 上位馬を流して3点。O2オッズあればEV計算で選択。
三連複
1〜4
per race
上位3頭1点が基本。紐拡張で最大4点。O6オッズ取得後にEV計算可能。
三連単
6〜15
per race(Phase4以降)
軸1頭固定フォーメーション。1着×2着3頭×3着5頭=15点が標準。120点全買いは論外(控除丸かぶり)。
⑥ 「月収30万」を達成するための現実的試算
シナリオ必要ROI月間Bet数1bet平均月間投資必要元本現実性
単勝のみ(楽観)120%50bet3万円150万600万〜 要ROI+20% 困難
単勝+馬連(現実的)112%80bet2万円160万800万〜 実証後なら可能
3券種ポートフォリオ108%100bet1.5万円150万500万〜 Phase3以降
現状(OOFエッジ-0.006)≈99% 現状は不可能
⚠️ 3名共通の結論: 現在のOOF実エッジ -0.006(ノイズレベル)は「今すぐ馬券を買うな」のサイン。 シャドーランで200〜300betを積み、実エッジ+0.01以上(95%CI下限)が確認されてから段階的に参入。 競馬で食うのは不可能ではないが、「エッジの証明なき参入 = 資金溶解」のリスクが高い。